国保に扶養がないのはなぜ?
国保は「世帯の一人ひとりが加入者」になる制度で、養われている家族という区分がないためです。
国保の保険料には、加入者1人ごとにかかる「均等割」があります。
配偶者や子どもも加入者として数えられ、家族が増えるほど保険料が上がるしくみです。
会社の健康保険では、家族は「被扶養者」になります。
被扶養者の分の保険料はかからないため、家族が何人いても保険料は変わりません。
【試算】家族の国保と国民年金はいくらかかる?
所得のない配偶者と子ども2人の場合、家族分だけで年間約41万円の負担になります。
東京23区で、配偶者(所得なし・20〜39歳)と小学生以上18歳未満の子どもがいるケースの目安です(2026年度の料率)。
| 家族構成 | 家族分の国保 (均等割) | 配偶者の 国民年金 | 家族分の合計 (年額) |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 約6.7万円 | 約21.5万円 | 約28.2万円 |
| 配偶者+子ども1人 | 約13.2万円 | 約21.5万円 | 約34.7万円 |
| 配偶者+子ども2人 | 約19.7万円 | 約21.5万円 | 約41.2万円 |
※東京都特別区の令和8年度の均等割(医療分47,600円+後期高齢者支援金分17,600円/人。18歳以上はさらに子ども・子育て支援金分1,873円)と、令和8年度の国民年金保険料(月17,920円)で試算。未就学児は均等割が5割軽減されます。低所得世帯の軽減は考慮していません。
社保に加入して家族を扶養に入れれば、この家族分の負担がまるごとなくなります。
配偶者も第3号被保険者になれば、国民年金保険料を納める必要がありません。
社会保険の扶養に入れる条件
扶養に入れるのは、主に被保険者の収入で生活している、年間収入130万円未満の家族です。
【条件①】家族の範囲
- 配偶者(事実婚を含む)・子・孫・兄弟姉妹・父母・祖父母:同居・別居を問わない
- 上記以外の3親等内の親族:同居が条件
原則として、日本国内に住所があることも必要です。
【条件②】収入の基準
| 年間収入 | 130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満) |
|---|---|
| 同居の場合 | 被保険者の年間収入の2分の1未満 |
| 別居の場合 | 被保険者からの仕送り額より少ない |
「年間収入」は過去の実績ではなく、今後1年間の見込み額で判断されます。
2025年10月からは、19歳以上23歳未満の人(配偶者を除く)の基準が150万円未満に緩和されました。
家族に個人事業の収入がある場合、協会けんぽでは売上から必要経費を差し引いた額で判断します。
確定申告書の控えなどで収入を確認するため、手元に用意しておきましょう。加入する健康保険組合によって扱いが異なる場合もあります。
国保から社保の扶養に切り替える手続き
手続きは「社保の加入」「扶養の届出」「国保の脱退」の3ステップです。
- 社保に加入する
勤務先が、健康保険・厚生年金の加入手続きを行います。 - 扶養の届出をする
家族の情報と収入を確認できる書類を勤務先に提出し、勤務先から届け出ます。期限は扶養の事実が発生してから5日以内です。 - 国保を脱退する
社保に加入してから14日以内に、お住まいの市区町村で国保をやめる手続きを行います。
扶養に入った家族は、健康保険証として登録したマイナンバーカード(マイナ保険証)で受診できます。
マイナ保険証がない家族には「資格確認書」が交付されます。
特に注意したいのが、3つ目の国保の脱退です。
国保は自動では脱退されません。手続きを忘れると、保険料の請求が続いてしまいます。
個人事業主が社保に加入する方法は、「フリーランスが社会保険(社保)に入る方法5選」で解説しています。
国保と扶養についてよくある質問
- 国保で家族を扶養に入れられる?
- 入れられません。国保には扶養のしくみがなく、家族も1人ずつ加入者として保険料がかかります。
- 社会保険の扶養に入れる収入の条件は?
- 年間収入130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満は150万円未満)が目安です。同居なら、被保険者の収入の2分の1未満であることも条件になります。
まとめ:家族がいるなら、社保の扶養で負担を減らそう
- 国保には扶養がなく、家族の人数分の保険料がかかる
- 配偶者と子ども2人なら、家族分だけで年間約41万円の負担
- 社保の扶養に入れば、家族分の保険料はかからない
- 切り替えたら、国保の脱退手続きを忘れずに
※本記事は一般的な制度の解説です。扶養の認定基準は加入する健康保険によって異なる場合があります。個別の判断は加入先の健康保険や社会保険労務士等の専門家にご確認ください。